鶴見川に珍しい鳥が来ています。名はオガワコマドリ。川や池などのアシ原などに生息する鳥で、日本にはごく稀に飛来する冬鳥です。この珍しい鳥が来ている現場は下流域の土砂の堆積した湿地で、ここに生えた植物の枯れ枝の茂みから、砂地の辺りをチョロチョロ移動している姿が見られ、時折手前にある木の切り株にもやって来て、かわいい姿を披露してくれます。
この辺りはTRネットに参加しているグループが水辺の清掃や植生の管理作業を行っている所。 切り株は洪水時の流下障害にならないように剪定したもので、この鳥がまさかここを利用しようとは思いもよりませんでした。作業に従事しているものとしては、ちょっとした驚きがありました。
今年の冬は厳しい寒さとなり、各地に例年見られない鳥が飛来しているようですが、このオガワコマドリが都市の中を流れる鶴見川に飛来したのも、この場所が、生きものの賑わう環境となっている証拠。現場付近の川沿いは、ウォーキングやご家族のかたの散歩など、多くの人が利用する空間でもあり、人にも生きものにも優しい場所となっているようです。
オガワコマドリ Erithacus svecicus
日本ではまれな冬鳥で、川や池などのアシ原や草地などに生息し、 生息地付近の地上を跳ねるように歩いて、昆虫などを捕食する。ジョウビタキなどと同じ小型のツグミの仲間。
参考文献:フィールドガイド日本の野鳥(日本野鳥の会)・日本の野鳥(山と渓谷社)