2011年の流域・丘陵フォーラムは、東日本大震災も踏まえて、TRネットが従来から指摘してきた、鶴見川下流域左岸の多摩川・鶴見川に挟まれた沖積低地(ドラゴンゾーン)での大水害への対応をテーマとしました。
まず、岸代表理事による基調講演が行われ、低地における「気候変動・自然災害適応型都市」として高台を造成して街をつくるbasin communityの提案がなされました。続いて、慶應義塾大学・日吉丸の会による減災の取組の報告が行われ、「洪水ハザードマップ」「まるごとまちごとハザードマップ」を利用しながら鶴見区内を歩いた結果、市民の目線から感じた、ハザードマップに対する疑問が提示されました。
これらを受けて、ハザードマップを作成している株式会社東京建設コンサルタントの幸部長より、「ハザードマップの読み方について」の講演をいただき、さらに「ドラゴンゾーンの危機にどう対応するか」をテーマに岸代表理事との意見交換が行われ、ハザードマップについてより深く理解することができました。
地震・津波の話題に集中しがちですが、足元には水害の「危機」があり、源流域での「保水」と合わせて、下流域での「減災」への取組の必要性を再認識しました。