2004年10月9日に台風22号が、2004年10月20日に台風23号が鶴見川流域を通過しました。今年は台風の当たり年で、上陸した台風はこれで10個目となり、史上最多を更新しました。また、首都圏を直撃するコースをとったこれらの台風は、防災対応がなければ、各地でさらに大きな被害を生んだ可能性のある台風でした。
鶴見川流域では新横浜多目的遊水地が22号、23号と2度にわたって見事に機能し、一面巨大な湖になり、「この湖が下流をまもった」と、リアルに実感できる、壮大な光景となりました。 とくに22号台風においては2004年10月9日16時20分頃から20時50分ごろにかけて、鶴見川多目的遊水地に洪水流が大規模な流入を開始し、約125万m3の洪水調節を行いました。このほか、流出抑制施設(防災調整池)などの流域対策と合わせて、下流への洪水軽減が図られました。亀の甲橋地点において今回の観測水位は6.93mで、警戒水位5.8m、危険水位6.7mを上回りました。
もし対策がなかったら、22号台風における亀の甲橋の水位は約8.4m程度であったとされ、約1.5m抑制されたと試算されます(国土交通省京浜河川事務所「出水速報」より)。抑制がなければ周辺ならびに下流域において危険が予想される事態でした。
鶴見川水協議会 の治水努力に敬意を表したいと思います。
2004年10月9日台風22号
2004年10月20日台風23号
京浜河川事務所のホームページに、 台風22号に関する記者発表、および台風23号"出水速報" が掲載されています。 詳細な出水状況や遊水地の効果などが説明されています。