地球に再適応するためには、どんな地域の枠組みがふさわしいのでしょうか。その答えとして、私たちが提唱しているのが、「流域」です。
「流域」とは、「雨水が川に集まる大地の広がり」のことです。なぜ、流域が、地球と再適応するための地域の枠組みとして、ふさわしいのでしょうか。
- 地球上のほとんどは「流域」で区分される
雨の降らない砂漠や氷原を除けば、地球上のほとんどすべてが、どこかの川・湖・海の「流域」です。つまり、地球上のほとんどで「流域思考」を共有することができます。
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「流域」は入れ子構造である
流域は、行政区画と同様に入れ子構造になっているため、行政問題を行政区画(国→都道府県→市町村→丁目…)で扱うように、自然との共生の問題を流域(○○川流域→○○川の支流△川流域→△川流域の支流◇川流域…)で扱うことができます。
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流域は、生態系(ランドスケープ)の単位である
上記1, 2 のとおり、「流域」は生態系(ランドスケープ)としての地球の単位でもあります。生きもののことを知るためには、その単位である細胞のことを知らなければならないのと同じように、生態系(ランドスケープ)である地球のことを知るためには、その単位である「流域」のことを知ることから始めるのが適切です。
地球と再適応する暮らしを実践する地域の枠組みを、都道府県や市町村などの“行政区画”ではなく、生態系(ランドスケープ)の区分である“流域”にしていこうというのが、「流域思考」に基づく私たちの提案です。