実は自然の賑わいもあり

カワセミ

カワセミ

そんな鶴見川に自然の賑わいありと知るのは感動的です。町田市の源流域にはアブラハヤ、ギバチ、ホトケドジョウの暮らす清流があり、スナヤツメの回復も進んでいます。中下流にはオイカワ、フナ、ウナギ、ナマズはもちろん大量のアユやマルタウグイも溯上し、いずれも繁殖が確認されています。下流域はボラやマハゼが賑わい、カニやエビ類も豊富です。そんな賑わいを目当てに釣り人ばかりかサギ、カワウ、カワセミたちが登場します。川辺の緑、高水敷や土手もまた生きものたちの宝庫です。私たちの調査によれば、鶴見川の川辺には10種に上るカモや猛禽類、夏の葦原に見事なさえずりを響かせるオオヨシキリやセッカを含め70種近い鳥が確認され、タコノアシや、ヨコハマナガゴミムシなど絶滅の心配される貴重な動植物や、カントウタンポポ、キリギリスなどの懐かしい生きものたちも生き延びています。

アユ

アユ

2003年6月に完成した鶴見川多目的遊水地(84ヘクタール)の一部は広大な都市型水域として自然の回復が進んでいます。他方、中下流の高水敷では、特定外来植物であるアレチウリの繁茂が広がってオギなどの在来植生の大規模破壊が進み、あらたな危機となっていますが、一部拠点では市民活動による本格的な在来植生回復の作業が成果をあげており、行政の支援もえてさらなる回復に向かってゆく見通しです。

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